Netflixの新作ドラマ『The Trunk』は、キム・リョリョンの小説を原作にした作品です。主演はコン・ユとソ・ヒョンジン。物語は、ある特別な結婚サービスを通じて出会った男女の関係を軸に展開します。
物語の始まり
結婚といえば、多くの人にとって一生に一度の特別なイベント。しかし、本作の結婚式のシーンでは、新郎はポケットに手を突っ込み気まずそうに立ち、新婦は無表情で感情を隠しています。彼にとっては2回目の結婚、彼女にとっては5回目の結婚なのです。
この物語の中心にいるのは、ノ・インジ(ソ・ヒョンジン)。彼女はVIP向けの期間限定結婚サービスを提供する「New Marriage(NM)」という会社で働いています。このサービスは、一定期間だけ結婚生活を演じるという特殊なものです。
ドラマ版の独自要素
Netflix版『The Trunk』は、原作の基本設定を活かしつつ、大胆にアレンジされています。監督のキム・ギュテによって、ストーリーにはストーカー、殺人事件、家庭内暴力、そして複雑な恋愛模様が加えられ、緊張感あふれるミステリーロマンスへと変化しました。
主人公のハン・ジョンウォン(コン・ユ)は、元妻ソヨン(チョン・ユナ)に裏切られた過去を持ちます。彼は自分の意思とは関係なく、インジとの契約結婚を結ぶことになります。しかし、これはソヨンが仕組んだものでした。彼女は、ジョンウォンがインジと1年間の契約結婚をする間に気持ちを整理し、その後自分と再婚するつもりだったのです。
しかし、この関係は次第に複雑化していきます。ジョンウォンとインジの間には本物の感情が芽生え、ソヨンは不安を募らせていきます。
原作との違い
原作では、ジョンウォンとインジはすでに2年目の契約結婚を迎えており、ジョンウォンが再びインジとの契約を希望するところから始まります。物語はインジの視点で進み、彼女の結婚観や仕事についての考えが語られます。原作では、結婚サービスの内部事情や、契約のルール(3回結婚を拒否すると解雇されるなど)が詳細に描かれています。
また、原作にはドラマのような強烈なミステリー要素はなく、より軽いタッチで進むのが特徴です。
サスペンス要素の追加
ドラマ版では、ストーリーの冒頭から謎めいたシーンが描かれます。湖に沈むトランクが波に押し戻され、捜査が始まるのです。被害者は誰なのか? そのトランクの持ち主は? 事件の真相とは? こうした謎が物語を引き込みます。
さらに、長年インジをつけ回していたストーカー、テソンが登場。彼は精神病院を退院したばかりで、再びインジに迫り、NMの秘密を暴こうとします。
キャラクターの過去が物語を深める
ドラマでは、インジとジョンウォンの過去に焦点が当てられます。インジは、かつて婚約者がバイセクシュアルであると知った母親の過干渉によって、婚約を破棄された過去があります。一方、ジョンウォンは父親による家庭内暴力に苦しみ、いまもその記憶に苦しめられています。
原作では、インジの親友シジョンや、かつての友人ヘヨンとの関係にもスポットが当てられます。学生時代の出来事が現在の彼女にどう影響を与えているのかが描かれており、より人間ドラマに重点が置かれています。
まとめ
Netflixドラマ『The Trunk』は、原作の世界観をベースにしつつ、サスペンス要素や心理的な駆け引きを盛り込んだ作品に仕上がっています。ミステリーやロマンスが絡み合い、先の読めない展開が楽しめる本作。興味のある方は、ぜひNetflixでチェックしてみてください。